今回行くことになったのは、ある友人（女性）とのやり取りがきっかけです。

「や〜、スッポン美味しいですよ？」
「ええと……関節にいいんだっけ？　スッポンに含まれている成分って」
「え〜……似たような名前だけど、なんか違うような……」

後から調べたら、スッポンのはお肌に効くコラーゲン、関節に効くのはコンドロイチン（二人ともこれを想像していた）でした。
で、その後、スッポンを食べに行く会を企画したのですが、この友人は参加できず。
あまりに悔しがっているその友人のために、改めて企画したのが昨日の会、というわけでした。

スッポンを食べるなら、何を置いてもまずは鍋！
スッポン鍋はそれなりにお値段高めの料理ですが、お手頃な価格でしっかりしたものを食べさせてくれるところとして私がお勧めするのは、浅草は浅草寺裏手の「辻むら」です。
ここは、スッポンコースを頼むととにかく突き出し以外はすべてスッポンのみと言う、言わばストロングスタイルなお店です。

件の友人ほか、総勢 5 名で、浅草寺の雷門前にて待ち合わせ。

そこから仲見世を通り、伝法院通りに抜けてぶらぶらと見て回りながら浅草寺の裏手へぐるっと歩いていきました。
仲見世は店じまいの時間帯とあって、シャッターの閉まっているお店とまだ営業しているお店とほぼ半々くらい。
もう少し早めにしておけば、仲見世でいろいろと面白そうなものを見つけることができたのかも。
「辻むら」があるのは、料亭や小料理屋が軒を連ねるあたりで、意外なほどに静まりかえった閑静なエリアです。

お店に入って座敷に通され、まず出てきたのは突き出しの白魚。

これも充分に美味しいのですが、やっぱり今回はスッポンがメインとあって、注目度は圧倒的に低い状態。哀れ。
で、スッポン料理に必ず出てくると言われるヤツが登場。

スッポンの生き血。

通常は赤ワインなどのお酒で割ったものが出てきますが、今回はオレンジジュースで割られており、後味が軽く生臭い程度のルビーオレンジジュース、といった風情でした。
次にやってきたのは、

スッポンの内臓のお刺身。

今回は、スッポンを 2 ハイ頼んでいます。
スッポンのコースは通常だと 3〜4 人で 1 ハイなのですが、5 人という今回のメンバーだと微妙な量になってしまいます。そこで、小さめのを 2 ハイという注文にしてみました。
お店がここで気を利かせてくれて、オスとメスを選んでくれたので、内臓にも白子と卵が含まれています。

手前左から肝臓、白子、脾臓、心臓。
心臓の奥にある黒っぽいのは胆嚢です。
奥の皿の構成も基本的には同じですが、白子の代わりに卵が右側に載っています。

肝臓の左側に見えるものはごまだれ。
お刺身なので醤油を付けて食べますが、肝臓だけはこのごまだれで食べます。
見た目は激しくグロテスクですが、生臭さはまったく感じられず、ギュッと濃縮されていながらさっぱりしている不思議なお味でありました。

刺身に舌鼓を打っていると、とうとう本命のスッポン鍋がご来臨です。

至ってシンプルに、ネギと焦がしネギ、そしてスッポンの身が入っているだけの鍋。
これに、後から白菜と豆腐、春菊を追加する程度です。
ちなみに、鍋の底をさらうと。

スッポンの甲羅が出てきます。
甲羅そのものは食べませんが、甲羅の周囲に付いている、黒いゼラチン質の部分をこそげ取って食べます。このゼラチン質がコラーゲンたっぷりで、美肌に非常に有効なのですよ奥さん。

スッポンのお肉の方は、ちょいとビジュアル的にキツいので割愛。
見た目はだいぶアレですが、「あっさり風味の鶏肉」「白身魚にも似てるかも」といった評価で、よく言われるイメージから連想されるような強烈な味とはだいぶかけ離れています。
しかし、スッポンの身で取ったダシはすさまじく濃厚で。

そんなダシで締めの雑炊なんかしてしまった日にはアナタ。
先日の鴨鍋雑炊にも引けを取らぬ、贅沢極まりない絶品なお味です。

これを書きながら写真を見返すと、お腹が減ってきましたよ……。
同行の面々にも非常に気に入ってもらえたようで、一同、大変満足してお店を後にしました。

ちなみに、スッポンの美肌効果は、食べて一晩寝た後に実感できるのですが、朝起きて触ってみたらつるつるのぷるぷる。
大真面目に、これは効きますぞ。
女性には特にお勧めしたい！
ぜひぜひどうぞ。