KOSS Lanyard

ふぃ〜。
ようやくまともに身動きが取れる状態になってきましたよ。
気がつけば年の瀬も押しつまり、今年も残すところ 1 週間となりました。
この 3 日間は 3 連休。来るべき年末年始のリハーサルとでも言うべきまったり期間です。


昨日はその最初の 1 日目。
仕事からもほぼ解放されてゆっくりできそうな私が、何をしていたかと言うと。

iPod nano をいじってました。


……と言うと正確ではなくて、正しくは、iPod nano Lanyard ヘッドホンをいじっていたのですが。


更新をしていなかった間にしっかり購入していた iPod nano ですが、私は最近、Lanyard ヘッドホンという、ネックストラップとイヤホンが一体化したものを装着して聴いています。
Lanyard ヘッドホンのおかげで首からぶら下げることができ、けっこう重宝しているのですが、これにも気に入らない点はありまして。


・純正イヤホンは、騒音のある場所でのリスニングに向いていない
・そもそも、純正の白いイヤホンをしていると「iPod を聴いてござい」というような雰囲気を漂わせているような気がして、そういう目で見られるのがなんだかイヤ


……ということで、これがなんとかならんもんかと考えていたところでした。
そんな折も折、たまたまムスティさんとこでこんな記事を見かけました。
ふむふむ。
KOSSThe Plug か。
簡単に改造できて良さそうな感じだなぁ。


さらに調べてみると、同じ KOSS の製品に Spark Plug というイヤホンがあることが判明しました。
特徴としてはこんなところ。


・2,000 円前後と安価
・とにかく低音が強調される(=騒がしいところでも音が聞こえやすい。かも)
・標準で付いている低反発スポンジ製のイヤーピース(通称ネチョスポ)は装着感が悪く、ユーザーの間では「ギボシ改造」や「真鍮管改造」と呼ばれる改造方法が一般化している
・比較的容易に開けることができるため、ケーブルの付け替えなどが簡単にできる


The Plug はブルーメタリックな外観ですが、Spark Plug は白を基調にしており、Lanyard ヘッドホンのケーブルやネックストラップとも相性の良さそうな印象です。
The Plug のハウジング部分を Lanyard ヘッドホンに移植したら、けっこうイケるんじゃ?


ということで、こちらの記事を参考に、やってみました。
結論から言うと、激しく不器用でもない限り、誰にでもできそうな程度に簡単です。


手順としてはこんな流れ。


1. Spark Plug のハウジング部分(耳に装着する部分)を開ける。まずはどちらか片方ということで、R を開けた
    ↓
2. Lanyard ヘッドホンのハウジング部分も開ける。Spark Plug に合わせて R 側から
    ↓
3. ハンダごてを使って Spark Plug と Lanyard ヘッドホンのコードを外す
    ↓
4. Lanyard ヘッドホンのコードを Spark Plug の各部品に通して、先端に近いあたりで固結びを作る
    ↓
5. コードを Spark Plug の基板にハンダ付けする
    ↓
6. 元通りはめ込んで完成
    ↓
7. L 側も同様に処理


……と言っても、このままでは何が何のことだかわかりにくいと思います。
他に同じ改造を紹介しているサイトもなさそうですし、写真入りで多少の解説をば。



まず、用意するモノ。


KOSS Spark Plug と iPod nano Lanyard ヘッドホン


もちろん、移植元と移植先のイヤホンが要りますわな。
そして改造に使用する工具。


必要な工具類


左から順に。
モンキーレンチ:ハンダ付け時の固定に使用。
カッターナイフ:ハウジングを開けたり、ケーブルを削ったりする。
ピンセット:ケーブルの付け外しに、あると非常に便利。
ニッパー:Lanyard ヘッドホンのハウジングを開けるときに使用。
ハンダ&ハンダごて:これがないとケーブルを付けたり外したりができません。


ピンセットはなくてもいけそうな気がしますが、あるとだいぶ作業が楽になります。
あと、マクロ撮影ができるデジカメを用意しておくことをおすすめします。ケーブルをどちらにハンダ付けするのか、わからなくなったりしないように、撮っておきながら確認するわけです。


ではまず、Spark Plug のハウジングを開けます。


目立たない位置にカッターを当てる


カッターナイフを、ハウジング部分のパーツの隙間に当てて、軽く左右にこじります。
当てるときは、ケーブルの接続部分に近いあたりなど、目立たない位置にするといいでしょう。


軽くこじると、このとおり


はめ込み式なので、けっこうあっさり外れます。逆に力を入れすぎないように注意。
写真では、R 側を外したところです。
R と L をいっぺんに外してしまうと混乱しそうな気がしますので、ひとまずは R だけにしておいた方がいいでしょう。


ここで重要なのが、ケーブルから出ているコードの色です。
写真では上側が黄色、下が赤になっています。
あとでコードをハンダ付けするときに、同じ色の配置になるようにする必要があるので、くれぐれも間違えないようにしてください。
上でも書きましたが、デジカメで撮影しておくとあとあと役立ちます。


Lanyard ヘッドホンの方もハウジングを開けます。
単純なはめ込み式の Spark Plug と異なり、Lanyard ははめ込んだ上に接着までしています。
カッターでこじった程度では開きませんので、ニッパーで灰色の部分を縦に裂くような要領で破壊します。断固として行いましょう。


Lanyard は接着されているので破壊


写真ではわかりづらいですが、Lanyard の方もケーブルから出ているコードの色が黄色と赤になっています。


それでは、ハンダ付けされているコードを外します。


ハンダごてで、ケーブルを外す


やり方は至って簡単。
まず、ハウジングがぐらつかないように、モンキーレンチで挟み込んで固定します。
ハンダごてを充分に熱してから、ハンダの部分に軽く当て、ほぼ同時くらいのタイミングでコードを引き抜きます。
コードは 2 本ハンダ付けされていますので、一度に外すことはできません。ピンセットがあると、コードを別々に外すことができるので楽です。
Spark Plug の方を外したら、Lanyard の方も同様の手順で外します。


外したあとは、ケーブルの結び目をほどいて、ハウジングのケースをケーブルから抜き取ります。
で、ここでちょっと一工夫。Spark Plug のハウジングケースには穴がぽこぽこと空いているのですが、これを裏側からセロテープで塞ぎます。
幅が広め(1cm ちょい?)のセロテープを、1cm くらいの長さに切って、ケースの上にちょんと載せて、鉛筆のお尻などで押し込むだけ。
すみの部分がきちんと貼り込めない場合は、Lanyard のハウジングケースの軸を使うとけっこううまく行きます。


外した KOSS のハウジングケースにセロテープを貼る


わかりづらいかも知れませんが、穴を塞いだところ。
ケーブルの穴は塞がないように気をつけてください。


さて、ここからが本番。
Lanyard のケーブルを Spark Plug のハウジングに取り付けます。
まず、Lanyard のケーブルを、ハウジングのケースとゴムの接合部分に通します。
実はここが最難関。
Lanyard のケーブルは Spark Plug のケーブルよりもやや太めになっています。問題になるほどの差ではないのですが、その太さの違いのせいでゴムの接合部分がスムーズに入ってくれません。
これを解決するためには、ケーブルの外皮のゴムを、カッターナイフでちょっと削って細くする必要があります。
だいたい、先端から 1〜1.5 cm くらい。中のコードが露出しないように、慎重に削る必要があります。ケーブルを回して全体的にまんべんなく削ると、接合部分がどうにか入るようになります。
接合部分まで通したら、ケーブルを先の方で固結びにします。


Lanyard のケーブルを接合部のゴムにがんばって通す


あとは、コードの色に気をつけながら、Spark Plug の方にハンダ付け。
コードを付ける前に、元からあるハンダにハンダを軽く足しておくといいでしょう。ハンダごてを元からあるハンダに近づけて、ささっと追加のハンダを近づけると簡単にできます。


コードのハンダ付けは、コードの先端部分がハンダにくっつけば問題ないです。
ハンダ付けをしたら、iPod に接続して音が出るのを確認してから、ハウジングのケースを元通りにぱちんとはめ込んで完了。


あとは、L 側も同じようにハウジングを開けてコードを外して付け替えるだけ。
ちなみに、L 側のコードは黄色と緑になっています。


L 側は、上が黄色で下が緑


ということで、取り換え完了!


換装完了!


取り換え終わったら、ギボシ改造なり真鍮管改造なりをすればいいわけですが、私は今回、三協特殊無線さんの「KOSS THE PLUG ST-COM SPECIAL EDITION KitII」というキットを使って真鍮管改造を施しました。
このキットは、Spark Plug や The Plug に取り付ける真鍮管と、シリコン製のイヤーピース 3 サイズ、耳掛け用のナイロンパーツがセットになっています。
真鍮管を自作して、ソニーの「EP-EX1」というイヤーピースを使ってもいいのですが、さすがに真鍮管の自作はちょっと面倒なので楽してしまいました。
真鍮管は、ぐっと奥まで押し込むだけ。
あまり力任せにやると Spark Plug の本体の方がヤバそうなので、プラスチックハンマーなどで軽くコツコツと叩いてやると無理なくはまります。


真鍮管をはめ込む


さて、音質がどんな感じに改善されたのか、iPod nano の純正イヤホン、KOSS 改造 Lanyard、そして実は発売直後に入手済みの「Ears Monitor Pro II」(→製品ページ)で聴き比べてみました。
KOSS 改造はけっこうイヤーピースによっても音が違いますが、一番大きなモノを使うと音がうわずり気味になりますので、真ん中か一番小さいモノを使った方がいいでしょう。


静かな場所で純正と KOSS 改造を聴き比べた場合はそれほど大差がないように思います。
KOSS 改造の方は確かに低音が強調されますが、ネチョスポを付けていたときに比べると音のバランスが良くなっているため、それほど重低音という印象はありません。
しかし、電車の中など、騒音のある場所では KOSS 改造が真価を発揮します。低音が強いため、中音部や高音部はコントラストがはっきりして輪郭のある感じになります。
音源を選ぶ、とのもっぱらの評判ですが、低音が出ている曲であればだいたい気持ち良く聴ける気がします。


で。


Ears Monitor Pro II。
良すぎ。
遮音性が高く、低音から高音までまんべんなく綺麗に音が出て、粒も細かい感じ。


KOSS 改造は、なんだかんだで、


・Lanyard ヘッドホン:4,000 円ちょい
・KOSS Spark Plug:2,000 円前後
・真鍮管キット:1,500 円


……と、トータルでは 7,500 円もかかっています。
一方の Ears Monitor Pro II は 9,500 円から。
2,000 円の上乗せでこれなら、純粋に音質を追求する向きには良いのではないでしょうか。


だからと言って KOSS 改造に意味がなかったかというとそうではなく、Lanyard の首掛けという使い勝手を損なうことなく音質が向上できたという点で、プラス 3,500 円の出費は決して無駄ではないと言えましょう。
他のメーカーから同じような商品が出てきたらまた話は別なんでしょうけども。


KOSS のイヤホンはエージング(クルマの慣らし運転と同じで、鳴らし込みをすることで体感的な音質が向上する)に 50〜100 時間ぐらいかかると言われています。
これから時間をかけて聞き込んでいこうと思います。



まとめ
・Lanyard への Spark Plug 移植はけっこう簡単(中学校の技術工作レベル)。ケーブルを接合部分のゴムに通すのが一番たいへん
・でも、意外に費用がかかるかも
・ちょっと上乗せすれば、いいイヤホンはある
・でもでも、Lanyard の使い勝手のまま、音質が上がるからいいんだい



あ、そんで。
昨日は、「わっこさん」こと和田京子さんのライブがあるので、大塚にあるライブハウス「Welcome back」に行ってきましたよ。
ちょうど、わっこさんの CD「歌ウコトノハ」がインディーズレーベルから発売ということで、発売記念ライブとなったわけです。


「Welcome back」は、ステージのあるお洒落なバーといった感じの、落ち着いた雰囲気のお店でした。なんかグー。


わっこさんの前には、CD でバックバンドも務めた「風絃流し」が登場。


風絃流し


インストのバンドで、ケーナやバイオリンの入った、ちょっと無国籍な構成。
でも、曲は全体的に流麗な「和」の雰囲気を漂わせており、非常に好みです。
ライブの迫力と、それでいて落ち着くような情感のこもった曲が耳に残りました。
あと、パーカッションの須藤昭人さんの、はち切れるような笑顔がものすごく印象深かったです(笑)。


風絃流しの響きが冷めやらぬうちに、わっこさんが登場。


わっこさん


新発売の CD の曲をメインに、しっとりしたわっこさんワールドが展開されました。
これまで出ていた CD はバイオリンとピアノのみのアコースティックな構成でしたが、今回はパーカッションやギターも入ってちょっと賑やかな感じ。
特に後半、コーラスが入ったり、風絃流しのメンバーが追加されたりして、とても楽しい感じの演奏になっていきました。
うむ、やっぱり良いなっ。


いや〜、すっかりライブを満喫しましたよ。
で、さっそく発売されたばかりのわっこさんの CD と、風絃流しの CD「風絃流し」と「春風ウキウキ」を買ってしまいました。
これからしばらくは、ヘビーローテーションする予定です。

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Comments
PLUTO | 2007/01/06 17:43
KOSS The Plugの改造はやはり三協特殊無線社製の鋳とシリコンのものがベストだと思いました。音もカマボコ型の非常に良いバランスになりサブ・ウーファー効果も十分です。但し、i-Podはどの機種を買っても音が悪過ぎます。あれはあまりにもグレードの低いデジタルアンプチップのせいですがもう少しお金をかけないとユーザーをいつまでもイメージだけで騙すのは無理だと思います。逆に言えば、音はソニー等日系メーカー製のものが明らかに良いです。i-Podの音しかしらない人は同じイアフォンを使ってソニー等を聞いてみれば明確に判ります。
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