テーマは爆風スランプの「旅人よ」で。

おはよーございます。
私は今(まさに今、この瞬間)、休みの日だとゆーのに会社のビルの前におります(投稿時刻に注目)
もちろん、こうやってのうのうと更新をしているからには、休日出勤などではありません。

サバイバルウォーク、つまり災害時を想定した帰宅歩行訓練を実施しようかと思うわけです。
シンプルに言うと、会社から、家まで、歩いて、帰る。


……いや〜、私、8 時間前まではこのビルの中で働いてて、それでいったん家に帰って、また戻ってきたんですけどね〜。


アホとか言うな。


これには立派な理論武装があるわけですよ。
ほら、ここんとこ、地震が多いじゃないですか。
いつなんどき、強烈なヤツがドカンと発生して、交通機関が麻痺しないとも限りません。
そんな時に頼れるのはやはり、自分の二本の足! フィート!(foot の複数形ですよ〜)
となれば、下調べをしてルートを把握しておくことと、ペース配分を考えておくことは、やっておいて損はないと思うのです。
道を知っているかどうかって、けっこうデカいですからね。


せっかく、「震災時帰宅支援マップ 首都圏版」なんてモノがあるわけで、実験ぐらいしとかないとね〜(本音)。


会社から家までの距離を MapFan.Net 様にお伺いを立ててみたところ、24km ほどということになっています。
まあ、幸か不幸か、歩けない距離ではありません。
直近で 20 km 前後と言えば乗鞍で、自転車でとは言え 22km の坂道を延々と登るようなことをやっていますから、体力的な不安はありません。
高校時代には 1 日で 40km 歩くという《自主規制》じみたイベントが毎年あって(まだやってるんだろーか?)毎年完歩していましたから、距離的な感覚がどんなもんかはわかっていますしね。
明日は家でへばっているかも知れませんが、ひとまず歩き通すことはできるはず。


そんなわけで、今日はこれから、歩いての帰宅を目指します。
途中の様子については、近況にてリアルタイム更新します。


しかし、下調べという目的がある以上、漫然と歩くのは意味がないわけで。
いろいろと自分に制約を課しました。


1. 普段と同じ格好で歩く
これは、被災時を想定したときに、会社に行っているときの格好である可能性が一番高いためで、それと同じシチュエーションを前提にしないと下調べもあんまり意味ないよな〜ということです。
ま、会社へは私服で行っていますし、バッグもわりと軽いものを使っていますから、歩く上でそんなに困ることはないでしょう。


2. 物資の調達はコンビニで
「震災時帰宅支援マップ 首都圏版」にも書いてありますが、いざ震災となった場合、公共設備だけでなく、各所にあるコンビニがエイドステーションとして機能することになっています。
実際にそれがどこまで役に立つかというと、想定される被災者の規模を考えても微妙な部分ではあるのですが、念のために目星を付けておくくらいのことはしておいた方が良さそうです。
とりあえず、自販機はひととおり壊滅、という前提で。


3. 一人で実行
誰かを巻き込んでも良かったのですが、こんな企画に付き合わせるのも気の毒ですし(笑)。
実際に歩くときのことを考えたら、知り合いと一緒とは限りませんから。
……ってゆ〜か、こんな企画に誘って乗ってくる知り合いはそうそういないと思う。


4. 携帯は通話には使わない
おそらく、ではありますが、携帯は震災時に通信手段としてそれほど役に立たないのではないかと思います。
基地局が損壊したり、みんな一斉に発信することで帯域が食われたりして、まともな通話には使えない可能性が高いわけです。
いくら一人で歩くのが寂しいからと言って、誰かと話しながら歩くのは禁止。
あ、とは言っても、リアルタイム更新にはやっぱり使いますけど。


5. 無理はしない
やり遂げることに意味があるとは言え、そこはやはり訓練としての位置付けですから、それでケガをしたり無理をして身体の調子を悪くしたりしては意味がないのです。
ヤバくなってきたら、ためらわずリタイヤの方向で。
……途中でリタイヤしても、どうやって帰ればいいのかわからないあたりが非常に問題あるわけですが。



だいたいこんなとこです。
自分で決めたこととは言え本人としてもダメージがデカいのは、なんと言っても飲食がコンビニで全てまかなわれる点でしょうか。
せっかく、あまり知らないところをうろうろするわけですから、途中で食事の美味しそうなお店を見つけてぶらっと入ってみる、というようなことをしてみたいのです。
でも禁止。
我慢します。


あと、何か美味しそうなものを見つけて、買って帰る。
これは、途中で食べないのであれば良しとしましょう。買えば買うだけ荷物になって辛くなるのは自分ですから、大量に買い込むなんてことは起こりえません。
家の近くにいい和菓子屋さんがないので、何かしら良い物をゲットして帰りたいところです。
むんっ(気合い)



それでは、出発します。
メールはいちおう取れるようにしてありますので、メールフォームから励ましの言葉をお送りいただくのはウェルカムってことで!
よろしく!



(追記)
はい、そんなわけで、歩いてきた模様をお届けします。


まずは、本日の荷物チェック。


本日の荷物チェック


バッグは、BOBLBE-EFLAT SCREEN
けっこう収納性が高いのがポイントです。
右上のオレンジは着替えの T シャツ。通勤時に階段を駆け上がったりして汗をかくことが多いので、常に入れておくようにしています。今回は必要ないかも知れませんが、普段と同じ、ということで。
それと、ミニサイズのフェイスタオルも外せません。
それから、携帯と PHS、シグマリオン III とその接続用ケーブル。シグ III は今回必要ないかも知れませんねぇ。
iPod nano とノイズキャンセリングヘッドホンは逆に今回の必須アイテムですね。長い道を歩くのに、音楽が心強い供となります。
左端の白いボトルは点鼻薬。鼻炎気味なので手放せません。で、それを鼻にさした後に鼻をかむティッシュ。
あとは、水煙草用のマウスピース、ボールペンにシャチハタのハンコ、定期入れ、社員証(「水曜どうでしょう」のネックストラップを付けてます)、折りたたみ傘。
もちろん、「震災時 帰宅支援マップ」がないことには始まりません。
だいたいこんな感じ。


で、スタート地点の会社のビルの前。


都内某所のビル前


それなりに知名度のあるビルなので、モザイク。
振り返ると、


振り返ったところ


なんかこれも目立つのでいちおうモザイク。
そして歩き出そうとしたところで、どちらに行けばいいのかを見ていなかったことに気付き、まずは地図を確認することにしました。


今からコイツを頼りに歩くわけだ


歩き通した今思うと、地図としての精度は少し微妙な部分もあります。特に、コンビニの情報がけっこう漏れていたりして、いざというときに困る可能性も。
ただ、公衆トイレの位置が細かく網羅されているのは非常にポイントが大きいです。


渡るのに妙に苦労した交差点


改めて歩き出すわけですが、会社のビルのすぐ近くの交差点を渡ろうとして、横断歩道が見当たらないのにまごつきました。
結局、歩道橋のように道路をまたいでいる上の通路を通ってクリア。


外苑の周り


あとは順調に、ひたすら同じ道路を真っ直ぐ歩いていくだけでオッケーです。
15 分ばかり歩いたところで、右手には外苑が見えてきましたよ。
非常に厳重で、生け垣のあちこちには監視カメラ、そして警官が巡回中。
……すごい税金のかけかただよなぁ……。


てくてくてくてく、と携帯で近況を更新しつつ歩いてきたらば、信濃町の駅に出ました。


信濃町の駅前


まだ朝方で日差しが建物に対して比較的まっすぐ当たるためか、妙に白くて綺麗に見えました。
改めて写真を見るとそうでもないんですけど。


メーヤウ。しかし時刻はまだ 8 時半……


さらに歩き続けて、なんと、メーヤウ に遭遇。
う〜ん、「歩いて家に帰る」なんてことを実行中でなければ寄るのになぁ。
でも、時計を見たらまだ 8 時 30 分。
そりゃお店も開いていません。
残念。


屋上から何か発射しそうな四谷署


歩いていると警察署や役所などの公共施設に良く行き当たるのですが、中でも一番奇抜だったのが、四谷警察署。
いや、以前にも見たことがあるんですが、改めて見ると、屋上から円盤形の物が横に「すぽーん」と飛んでいきそうな感じです。
ヘリポートでもあるのかな?


エリマキトカゲが妙に凛々しい


ガウディ風の派手派手な建物


公共施設でない方の風変わりな建物 2 連発。
エリマキらーめんは、ラーメンの周りにノリをたくさん飾り付けたのにちなんでいるようです。
もちろん入りませんでしたし、自らに課した制約がなかったとしてもやっぱりまだ時間が早かったのでダメだったことでしょう。
で、もう一つの方は、カラーモザイクを貼り付けたガウディ風。
一階はレストランのようです。


この後、道は左に曲がるわけですが、曲がるところを思いっきり間違え、しばらく彷徨うことに。
気がついたら、早稲田大学にまで来ていました。


迷い込んだ早大は学祭が始まろうとしていた。


ちょうど、学祭の日だったらしく、準備に追われる学生達でにぎわっていました。
しかし、私の方はそれを見て楽しむほどの余裕もなくなっていまして。


いや、トイレを探してましたので。
これがもう、かなり大変。
地図で見たらすぐ近くにトイレがあったんですが、行ってみたら、坂の脇にある公園で、大きく迂回しないと行けそうもありません。
やむなく次にあるコンビニで済ませようとしたら、コンビニ自体に、客に対して開放しているトイレがありませんでした(泣)。
さすがに、地図上でその次にあったトイレは普通に使えたので事なきを得ましたけども。
「震災時 帰宅支援マップ」には、本当に細かくトイレの位置が記されているわけですが、やっぱりそういう時こそトイレが重要なんだと実感した次第。


トイレ地獄が一段落して、気がつけばもう池袋。


ずんずか歩いて池袋。


ロメロスペシャルというか地獄車というか、なんかそんな感じのブロンズ像を横目に、混み合う東口駅前を抜けていきます。
地図ではこのまま道なりに歩いていくことになっていますが、どうもそのルートに従うと家に近くなるあたりでコースが大きく逸れそうな感じ。
事前に、MapFan.net で下調べした時見たコースに近い形に修正した方が良さそうです。
そんな事情で、地図に書いてあるルートから外れて、別のルートに合流すべく池袋の街を斜めに突っ切ることにしました。


池袋のゴミ処理工場


池袋で目立つのが、この白い煙突。
ゴミ処理工場の煙突のようですが、空の色とのコントラストが印象に残ります。


で、線路を越えて、池袋の北口の街へ。
これが、なんつーか、ラブホ街だったりして。
いや、別にいいんですけど、自分の今の目的と対比した時に、限りなく場違いなので、その違和感が、こう……っ!
とりあえず気にしないように努めてひたすら前へ。
ラブホ街を抜けた先では、こんなお店(?)を発見してしまいました。


歴史発見館?


……な、何の店なんだろう?
歴史発見館?
営業しているのかなぁ?
一時的にすごく気にはなりますが、継続して情報を追いかけようという気にはならない、いかがわしさ爆発なところです。


で、ようやく地図に書いてある別のルートに合流を果たしました。
ここから先は、目立って面白そうな建物があるわけでもなく、黙々と歩きます。
だんだん足も疲れてきましたしね。
ふと気がつくと、板橋区役所まで来ていました。
そのすぐ隣に、なんだか気になるお店が。


板橋区役所隣の美味しいパン屋さん


パン屋さん「Antendo」です。
買ってすぐ食べるわけには行きませんが、そのパンがあまりに美味しそうだったので、家に持ち帰って食べようといろいろと買ってみました。


あまりに美味しそうだったのでいろいろ買ってしまった


実際、家で食べたら、これが美味い!
ふかふかでモチモチした歯ざわりで、かなり私好みです。
どうやらチェーン展開しているお店のようなのですが……ウチの近くにできたりしないものかなぁ(無理)。


よほど名前を覚えて欲しいらしい「新板橋」


板橋の地名の由来が「橋」であることを強烈に想起させる「新板橋」。
欄干に、通常は銘板が入っているだけですが、なんだかアクリル板が取り付けられていて自分の名前をしつこくアッピィルしています。
当然、反対側の欄干も同じ状態。
なんなのだ、その自己顕示欲の権化な様は。


ここからは、だんだん都内っぽい感じが薄れていきました。
言ってしまえばごくごく普通の街並み。
それ以上に、私の側にも余裕がなくなってきていましたけれども。
なにしろ、途中で休憩は取っていません。立ち止まったのは、信号待ちか、コンビニで飲み物や食べ物を買った時ぐらい。
飲み食いも歩きながらなので、6 時間ほど、座らずに歩いていることになります。
とにかく、まずは東京都を脱出。


そして、ついにその時がやってきました。
東京との境にかかる荒川に到着。


荒川にかかる橋のたもとに辿り着きましたよ。


いや〜、遠かった。
ここを越えたら、あとは家まで、1 時間ちょっとという程度です。


広々とした眺め


橋の上から荒川を眺めると、実に広々としています。
まあ、河川敷を見ると、青いシートでできたお家が見えたりして、見ているこっちがなんとなくげんなりするわけですが。
このころから、もう足の裏が痛くて仕方がない状態になりました。
腿やふくらはぎは全然痛くなくて、疲労感がある程度。裏さえ痛くなければまだまだ行けそうな感じなんですけどね〜。やっぱり日ごろそんなに歩いていないため、足の裏が鍛えられていないってことなんでしょうか。
まあ、何はともあれ、家は着実に近づいてきているわけで、辿り着きさえすれば……。


あ゛。


しまった。
朝、駅に行くのに自転車を使ったのでした。
このまま家まで歩いて帰ったら、自転車が駅に置き去りに!
かと言って、駅まで行って、自転車に乗って帰るというのも締まらない話です。


しまった! 自転車のこと忘れてた……


しょーがないので、自転車を取りに行って、家まで押して帰ることにしました。
とほほぉ。


会社の前を出発したのがだいたい 7 時 30 分ごろ。
家に到着したのが 15 時ちょっと過ぎ。
だいたい 7 時間半で家に帰り着いたことになります。
携帯で更新しながらだらだら歩いたりしていたので、ペースは私としては遅い方。
途中、変な道を選んだり迷ったりして効率的でない部分も多々あったので、次に歩く時はもっとちゃきちゃき進めることでしょう。


疲れたけど、まあ、やって良かったかな、と。

comments (4) | trackbacks (1) | 編集モード
Comments
一匹の黄色い猿 | 2005/11/05 14:55
つ[終わった様なので、ひとまずお疲れさま]
つ[酷使した体には、熱めのお風呂が最適]
つ[被災前に体が壊れては無意味]
つ[クールダウンも忘れずに]
つ[月曜に筋肉痛は辛いぞ…と]
_
っ[地震で自宅が壊滅していたという知人が居る]
っ[自宅に執着しすぎると、荊の道という事も]
っ[サバイバル精神の鍛錬もお忘れなく]
陣来霧 | 2005/11/07 09:09
>一匹の黄色い猿さん
ありがとうございます〜。
幸い、昨日の朝に多少の筋肉痛を感じたくらいで済みました。
帰宅後もちょっと出歩いてましたので、それで乳酸が減ったのかも。
alg | 2005/11/07 19:44
7時間半歩き通しですか…。
すごい!
そしてお疲れ様でした。
こういうのは、一度経験しておくのとそうでないのとで、かなり差が出そうですね。
私も見習って、一度やってみようかなぁ。
でも次の日筋肉痛で死んでそう。
NOR | 2005/11/17 13:52
曙橋の「一心」は、私が中学生の頃から通うお気に入りのラーメン店の一軒です。昔は、通りを挟んだ反対側にあったんですけどね。バブル期のラーメンブームにぼっこしハマって大金持ちになり、大将は新車の白いコルベットを買い、ビルを建てたわけです。エリマキラーメンもいいんですけど、オススメは6段階ある激辛ラーメン。辛いのになぜかしっかりと味がして美味い。辛いのにスープを飲み続けてしまいたくなるんです。カレー部番外編としていかが?
Comment Form
Trackbacks
Trackback URL :
※トラックバックは承認制です。当方へのリンクがないトラックバックは、SEO 目的と見なして削除します
歩行者天国への階段 | さらみぴざ食ってない | 2005/11/07 22:19
僕は無理です。あるけまへん